タロットについて

現存している最も古い手描きのタロットは、ルネッサンスよりもう少し前1392年頃に、シャルル4世の心を和ませるため、当時の宮廷画家ジャックマン・グランゴヌールに描かせた3枚の大アルカナカードで、現在17枚の断片が、パリ国立美術館に秘蔵されています。
なので、起源としては、占いのカードではありません。しかし、その絵に秘められた寓意性が奥深いインスピレーションを喚起するものとなっています。

名作といわれている「ウエイト版タロット」は、1910年イギリスで誕生しました。1886年に創立された秘教的結社「ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)の有力メンバーであった、アーサー・エドワード・ウエイト博士の指導で、パメラ・コールマン・スミス嬢が作画しています。ウエイトは、魔法、カバラ錬金術の秘法を伝えるべくタロットのデザインを一新しました。小アルカナ(スートと数カードで構成されたトランプの原型)を全て絵札にし、解釈しやすいようになっています。

タロットを読むには絵解きや想像力、カードのコンビネーションから出るインスピレーションが重要です。教科書的な本もありますが、それだけの解釈では、タロットの示す隠された意味は読みきれません。
解釈には、世の中の情勢や、業界、色んな人の立場に精通していなければなりませんので、実は非常に高度な読みを必要とされるのです。